2022年10月27日
東洋炭素株式会社(以下、当社)は、Si(シリコン)半導体およびSiC(炭化ケイ素)半導体等の化合物半導体用途における旺盛な需要に対応するため、 高純度黒鉛製品ならびにSiCコーティング黒鉛製品の生産能力増強に向けた設備投資の実施を決定しましたのでお知らせします。
【投資の背景】
当社は、半導体製造装置の構造部品として採用されている高機能黒鉛製品の製造および販売を手掛けており、IoT、AI、EVなどの進展による旺盛な半導体需要を受け、黒鉛製品の需要も高まっています。 Si半導体およびSiC半導体を始めとした化合物半導体のウエハー製造工程は、1,000度以上の超高温度となることに加え、半導体プロセスの微細化進展により、構造部材である黒鉛にも高い純度が求められることから、高い耐熱性を備えた黒鉛に高純度化処理を施した製品が多数採用されています。
さらには、イオン注入などの半導体製造工程や、太陽電池・光ファイバー製造等の様々な用途においても高純度黒鉛製品が使用されています。
また、等方性黒鉛にSiCの膜をコーティングしたSiCコーティング黒鉛製品は、黒鉛基材からのパーティクルやガスの発生を抑制することから、Si半導体や、高電圧・大電流を扱うパワー半導体の代表格ともいえるSiC半導体のエピタキシャル工程の部材として使用されています。中でもSiC半導体は電気自動車や省エネ関連市場の成長にともない需要は高まる一方です。
当社におきましては、中長期的に成長が見込まれる半導体市場の需要を確実に捕捉するとの成長戦略のもと,総額約70億円を投じ、高純度黒鉛製品およびSiCコーティング黒鉛製品の生産能力を増強し、市場の需要に応えてまいります。
なお、中期経営計画では、2022~2026年の5年間に総額370億円の設備投資を実施する計画で、うち6割が戦略投資となります。 本設備投資では、単なる増産対応にとどまらず、一段の品質追求と、自動化などによる省人化を進めることで生産効率の向上を図ることも狙いとしています。 これにより、2022年度比の生産能力は、高純度黒鉛製品は2025年に、SiCコーティング黒鉛製品は2024年に、それぞれ約1.5倍となります。 今後も当社は、お客様のニーズや市場動向を的確に捉えた生産ならびに販売体制の強化を実行することにより、着実な成長を遂げてまいります。
【投資の概要】
高純度黒鉛製品の生産能力増強(詫間事業所(香川県三豊市)) (1)投資内容 高純度化処理炉(建屋増築) (2)投資金額 約50億円 (3)増強能力 約1.5倍(2022年度比) (4)稼働時期 2025年 SiCコーティング処理能力黒鉛製品の生産能力増強(大野原生産技術センター(香川県観音寺市)) (1)投資内容 SiCコーティング処理炉 (2)投資金額 約20億円 (3)増強能力 約1.5倍(2022年度比) (4)稼働時期 2024年枚葉サセプタ