2024年04月08日
東洋炭素株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長兼CEO 近藤尚孝、以下「当社」)は、Jimmy Energy SAS(本社:フランス、CEO Antoine Guyot、以下「Jimmy社」)より、高温マイクロ原子炉(以下、「HTR」)向け黒鉛製品を受注いたしましたので、お知らせいたします。
契約締結式(左)Jimmy社CEO Antoine Guyot氏、(右)近藤
1.受注の背景
当社は、次世代原子力発電である高温ガス炉*1について公的機関等との長年にわたる共同研究により、原子力用途における黒鉛材料のデータ・ノウハウを蓄積しており、日本および中国における試験炉・実証炉への納入実績*2を有しております。
この度Jimmy社において採用が決定した等方性黒鉛材IG-110は、これら試験炉や実証炉でも採用されており、優れた熱的・機械的特性と耐中性子照射特性等を備えた信頼性の高い黒鉛材料です。
これらの実績や黒鉛材料の信頼性の高さ等が評価され、この度Jimmy社におけるHTRの炉心材として当社の黒鉛材料が採用されることになり、当社にて加工のうえ、黒鉛製品数十トンを納入する予定です。なお、本受注につきましては、2024年2月に公表の中期経営計画(2024~2028年)に織り込んでおります。
Jimmy社は、フランスにおけるカーボンニュートラルの実現と産業競争力の強化を目指し、化石燃料を用いたものに比べCO2の排出量が少なく安価な「熱」を提供するべく、HTRを搭載した熱発生モジュールの設計・製造を行っています。そして、2026年までの稼働を目指し、モジュールの製造プラントをフランスのル・クルーゾに建設する計画です。この熱発生モジュールは、既存の産業施設に直接接続でき、CO2の排出を低減できることから、産業界で広く使用されているガスバーナーに代わる熱源として期待されており、フランス政府は同社の計画に対し、3,200万ユーロの補助金支給を決定しています。
*1 高温ガス炉
原子炉として現在主流の軽水炉に比べ、安全性が高いうえ、熱効率が高く経済性に優れているため、カーボンニュートラルに貢献しうる第4世代の原子炉として注目が高まっています。また、高温の熱供給が可能であることから水素製造等への活用も期待されており、次世代のエネルギー供給を担うSMR(小型モジュール炉)として、世界各国で実用化の検討が進められています。
*2 納入実績
・国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 試験炉(HTTR)
・清華大学(中国) 試験炉(HTR-10)
・華能山東石島湾核電有限公司(中国) 実証炉(HTR-PM)
2.受注内容
(1)受注内容 高温マイクロ原子炉向け黒鉛材料一式
(2)出荷時期 2026年上期
(3)売上計上時期 2026年
3.Jimmy Energy SASの概要
(1)設立 2020年
(2)資本金 52,220ユーロ
(3)代表者 Antoine Guyot, CEO
(4)住所 83, rue du Président Wilson - F-92300 Levallois-Perret, France
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