多孔質炭素『CNovel® (クノーベル®)』の開発と量産化について

2014年09月29日

テーラーメイド可能な細孔径と比表面積を実現した
多孔質炭素『CNovel® (クノーベル®)』の開発と量産化

  東洋炭素株式会社 (本社:大阪市、社長:野網 明) は、この度、多様化するニーズに対応するため、テーラーメイド可能なメソ孔を多く含んだ、特殊な構造を有する新しいカーボン材料『CNovel® (クノーベル®)』を開発し、2014年11月より量産販売を開始いたします。

本製品は、活性炭をはじめとする一般的なカーボン材料や、従来の多孔質材料には見られない構造を備えた新しいカーボン材料です。独自の技術により制御したメソ孔が構造内に多く存在し、このメソ孔同士がつながった「連通孔」と呼ばれる構造が特長です。この構造が、既存材料では見られなかった機能発現や機能向上に寄与します。

また、テーラーメイド可能な材料設計の自由度の高さも特長です。従来、お客様の一つ一つの要望にお応えする材料のカスタマイズ性は、価格や量産技術との両立が困難とされてきましたが、東洋炭素は独自技術によりこれを解決し、多くのご要望にお応えできるカスタマイズ性・価格・量産性を実現することが可能となりました。上記の制御技術によって、2~150nmサイズの細孔を有したカーボン粉末や、1,000m2/gを超える比表面積を有したカーボン粉末などを調製することが可能です。さらにはその比表面積を任意で変更したり、細孔サイズを組み合わせたりすることで、お客様の要望される機能や特性を持ったカーボン材料を提供し、今後益々多様化するニーズに対応します。

このように高度に制御された細孔構造は、一般的な多孔質材料に期待される「吸着」「分離」「濃縮」「拡散」といった機能を最大限に引き出すことが可能です。現在、これらの機能を必要とするキャパシタや燃料電池などの蓄発電デバイス、医療機器・分析機器、環境関連機器などにおいて採用が検討されています。また、ニーズに応じた種々の特性の設計が可能になったことで、これまでの活性炭などでは実現不可能であった機能や用途、さらには従来セラミックスや樹脂が使用されていた分野にも用途展開を図ってまいります。

東洋炭素は今後も、コーポレートスローガンである"Inspiration for Innovation"のもと、先端産業を支えるべく、時代を先取りした「カーボンを超えるカーボン」に挑んでいく所存です。

【用語説明】

多孔質材料: 細孔が非常にたくさんある材料のこと。主として吸着剤や触媒担体として利用されます。
細孔   : 微細な空孔のこと。孔の大きさによってマイクロ孔、メソ孔、ミクロ孔に分けられます。
メソ孔  : 一般に直径2nm以下の細孔をマイクロ孔、直径2-50nmの細孔をメソ孔、直径50nm以上の細孔をマクロ孔と呼んでいます。

【主な用途】

・キャパシタや燃料電池などの蓄発電デバイス

・医療機器や分析機器

・環境関連機器


【主な特長と利点】

1. 連通孔を活かした拡散性:物質の粒子内拡散が優れる

2. 細孔サイズの制御:要求量に応じて、必要な細孔サイズ・比表面積が調製可能

3. 溶剤などへの分散性:表面の化学状態を変更させることによる分散性の制御


【生産・販売計画】

参考価格:20,000円 / kg ~ (要求仕様や量によって価格は変動いたします。)

生産拠点:近藤照久記念東洋炭素総合開発センター(大阪市)

生産予定:1,000kg / 月 (当初)

生産開始:2014年11月

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※PDF版は、こちら(295 KB)をご覧ください。

【お問い合わせ先】
(製品に関するお問い合わせ)
多孔質炭素ビジネスユニット 
TEL:06-6472-5914 製品問い合わせフォーム

(本プレスリリースに関するお問い合わせ)
広報・IR
TEL:06-6472-5815 E-mail:info@toyotanso.co.jp

 

以上