炭素ってなに?
黒鉛の特徴は?
黒鉛を使ってできる様々な最終製品
黒鉛製品の製造工程
炭素素材の未来
4. 黒鉛製品の製造工程
1. 粉砕工程
黒鉛の原料となるコークスを、微粉砕します。
2. 混ねつ工程・粉砕混合工程
粉砕したコークスに、バインダーと呼ばれる結合材を加え、加熱しながら混ぜ合わせます。冷やすと石ころ状になりますので、それを再び粉砕します。
3. 成形工程
粉体をゴム製の容器に入れ、さらに金枠に収めます。それを水の中で均等に圧力をかけて成形します。上下からだけの圧力では層状に黒鉛粒子配列し、"等方性"が生れません。東洋炭素が業界に先駆けて開発した"静水圧成形法"がこれです。
4. 焼成工程
成形したものに、約1000℃の熱を加えることで、"炭素化"するとともに、バインダーに含まれている有機成分を飛ばします。時間は約1ヶ月間。炉内の温度分布や熱の上げ下げの速度など、さまざまなノウハウが必要となる難しい工程。
5. ピッチ含浸工程・再焼成工程
焼成したものをピッチの中に漬け、圧力をかけて染み込ませ、それを再び焼成します。この工程は、グレードによって経由しないものもあります。
6. 黒鉛化工程
電流を流し、約3000℃の温度で処理する。これにより黒鉛化されるとともに、結晶構造が発達し、等方性黒鉛ができ上がります。この工程は2ヶ月間を要します。
7. 加工工程
加工方法はNCなどを使った金属加工と変わりませんが、黒鉛は切削抵抗が小さく不純物を嫌うため、乾式で加工します。
8. 高純度化工程
半導体用など、高い純度が求められる製品は、純化処理が行われます。高温で、ハロゲン系のガスと反応させることで、含まれている不純物を除去します。
9. 化学工程
耐薬品性、ダスト防止、表面硬さの向上などが求められる製品には、ガラス状炭素やSiC、パイロリティックグラファイトなどのコーティングを行います。
10. 品質管理
原料受け入れ、粉砕、混ねつなどの各工程で検査を実施します。黒鉛化後は材料特性検査、加工後は三次元計測器などを使った加工精度検査など、あらゆるプロセスで、徹底した品質管理が行われます。
前へ
次へ